Q-info 第72号 2013年12月発行 一丁噛

いっちょかみ“一丁噛”が行く! 第70回:食材偽装

 全国のホテルや百貨店で次々と食材の“誤表示”が相次いでいます。まぁ、出るわ出るわ・・・。
驚くというかあきれるばかりです。
あまりのアホらしさに腹も立たないといったところではないでしょうか。
「担当者の知識不足や理解不足]などという言い訳を聞くに及んでは、『あんたらプロやろ!』と
突っ込まざるを得なくなります。
そもそも、これらの食材偽装はどうやら業界ではだいぶ以前から行われてきており常態化していたそうです。
いろいろな要因はあるようですが、コストを切り詰めるあまりに納入業者に過酷な値下げ要求をしたことも
常態化を招いた一因のようです。
 「大正エビ」や「芝エビ」と表示されていたのが実は安価なバナメイエビだったり、「車海老のテリーヌ」と
表示されていたものがブラックタイガーであったり、「和牛ステーキ」が牛脂注入肉であったりしたわけですが、
そもそもそれらの違い、食べて気付いた消費者はどれだけいたのでしょうか。
私はあまり味覚に自信がないので絶対に気付かなかったと断言できますが、食通の人たちはどうだったのか
気になります。
 お正月にテレビでやっている「芸能人格付けチェック」という番組、ご覧になったことありますか?
一流の食材を使った料理と、三流のものや偽物で作った料理を目隠しして食べて、どちらが本物であったかを
当てる趣向です。案外当たらないんですね。当たらないのを見て、私はいつも喜んでいるんです。
 そもそも味覚というのはそんなに正確なものじゃないと思っています。
だいぶ以前ですが、あるバーで5~6人で飲んでいた時、私が「ウイスキーとブランデーが判らない」と
言ったら「銘柄まではともかくとして、ウイスキーとブランデーの違いくらい判らないはずがない。
おまえはよっぽどの味覚音痴だ」と一斉に口撃されました。そばで聞いていたママが「それなら飲み比べを
やりましょう」と乗ってきて、小さな1オンスグラスにウイスキー3種類とブランデー3種類を入れて、
それぞれ一口飲んでウイスキーとブランデーを分ける飲み比べをやりました。
結果は全問正解者なしでした。高級ウイスキーをブランデーと間違った人が多かったですね。そしてその時、
「見てみぃ、判らへんやろ? 人のこと、味覚音痴とかいうてるけど、あんたらも一緒や!」と言って溜飲を
下げた覚えがあります。
 今回の食材偽装、本当の味も判らないのに、「芝エビ」と書いてあればおいしいと思い、「和牛」と
書いてあれば「やっぱり和牛はうまいなぁ」なんて舌鼓を打つ。そんな消費者がこのような偽装を招く
遠因だったのではないでしょうか。
たとえそれがなんであっても、食べてみておいしいモンはおいしい、まずいモンはまずいと、
自分の舌で判断することが大切なのではないでしょうか。今回の事件は、ブランドに弱い日本人の一面を
見たような気がしますが、皆様はいかがお思いでしょうか。