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Q-info 第97号 2016年 正月発行
        【読者訪問】

カテゴリー[コラム/Qinfo, 読者訪問]

読者訪問  第73回

お伺いした会社 佐々木化学薬品株式会社
お話を伺った方 代表取締役 佐々木 智一 様、取締役 平手 利明 様
事業内容    試薬および化学工業薬品の開発・製造販売
会社の所在地  〒607-8225京都市山科区勧修寺西北出町10
連絡先など   TEL:075-581-9141(代表)  FAX:075-593-9784(代表)
URL     http://www.sasaki-c.co.jp/

 京都市山科区にある佐々木化学薬品さんにお邪魔しました。佐々木社長(左)と平手取締役
同社には2年ほど前にはんばいQspをベースにした販売管理システムを導入させていただき
ました。もともと昔のオフコンのシステムを使っておられたのですが、5年ほど前に同社の
HPなどを手掛けているソフト会社に新システムの開発を依頼されました。ところが
何年経っても同社が希望する仕様での運用ができません。プログラムがなかなか思うように
修正されず一つ指摘するとそこは直るが他のところに不具合が出る、またそこを直すと他に
影響が…といういたちごっこみたいな状態が数年続き、こっちが言っていることしたいことが
ちゃんと理解されずに悶々としていたとおっしゃいます。

 たまたまそのようなときに私が同社を訪れ佐々木社長とお話する機会を得ました。
システムの現状をお聞きしてピンときましたので、次のようなことを申し上げました。

 「ソフト会社は大きく分けて二つの類型があります。情報系と勘定系です。情報系とは、
ホームページの制作とか最近流行のクラウドシステムを使ったいろいろな便利ツール
(例えば乗換案内や観光案内などの情報提供・情報共有システムなど)の開発をやっている
ところです。

それに対して勘定系とは、会計ソフトや販売管理システムなど業務用の
アプリケーションソフトを開発している当社のような会社を指します。情報系の会社は会計や
販売などの業務システムについては疎いところがあり、勘定系の会社はホームページ制作や
情報提供型のクラウドシステムなどには疎いところがあります。

現に当社にHPの制作依頼をいただいてもHPのしゃれたデザインなどは全くの門外漢ですので
うちではできませんと言ってお断りしています。ところが御社が頼まれたソフト会社は情報系の
会社であったが故に、御社の希望される仕様を正確に理解できなかったのかも知れませんね」

本社の外観 この説明に佐々木社長はすっかり納得されたご様子で、「それならばうちのシステムの開発を
やって欲しい」とご依頼いただきました。先の失敗を体験されているだけにかなり慎重に打合せは
進みました。実際にシスポートのシステムを導入されている会社の話も聞きたいということで、
当時稼働しはじめたばかりの京都エレベータ株式会社さんの「エレベータ保守管理システム」の
見学もしていただきました。

それまで使っていたオフコンから画面も操作もまったく変わることに対する抵抗や、社内ルールの
変更、大丈夫ですかという不安の声などに苦労しましたと平手取締役はおっしゃっていましたが、
いろいろ紆余曲折しながら本社、滋賀支店、東大阪営業所、鹿児島営業所の約70台のパソコンを
結ぶネットワークシステムが完成し、現在順調にお使いいただいております。

「慣れるまで大変だったけど、システムが稼働したことで発注が楽になったことや、好きなときに
好きなデータが取り出せるようになったことなど業務の効率化が図れるようになった」と
おっしゃって下さいました。

 同社は1946年(昭和21年)に創業され、現在の社長は4代目にあたられます。ものづくり支援体制
創業当時は薬局をされていたそうですが、京都大学などに研究用、実験用の薬品を販売することから
工業系の薬品の取り扱いに重点を移してこられました。

1970年頃は電子工業で薬品を使うというのはメジャーではなかったそうですが、半導体産業の
成長と共に需要も増加しました。

特に京都には多くの電子工業系企業があり、それらの企業の成長と共に事業を拡大してこられました。
ところが近年は半導体産業も海外移転が進み、ものづくり産業が徐々に衰退しつつあります。

そのような状況の中、佐々木社長は国内で競争力のある企業が海外移転しないためになにができるか、
日本のものづくりをもっと活性化するためになにができるかと、ものづくりを応援する立場から
いろいろ考えておられます。コストのみならず環境性能の高いもの、安全性の高いものを
日本のものづくり企業に提供することにより競争力を高めてもらい、日本のものづくりの活性化に
寄与したいとおっしゃいます。

 事業ドメインも「化学薬品」→「化学」→「科学」と変化し、さらには科学技術のみならず
営業技術やあらゆる技術の提供ができる会社になりたいとおっしゃっています。

『喜びの創造と技術の革新』を掲げ、“ものづくり支援業”としてお客様が力を持って世界で
戦えるように支援していきたい。困ったことがあれば佐々木化学薬品に相談すればいいと言われたい』
と将来ビジョンを熱く語っておられた佐々木社長のもと、“智”“仁”“和”をキーワードに、
日本のものづくりの縁の下の力持ちとして更なる躍進を遂げていただくことを念じております。