Q-info 第79号 2014年07月発行 一丁噛

いっちょかみ“一丁噛”が行く! 第76回:外形標準課税

 法人税の減税が検討されています。そして、その財源として資本金1億円以下の企業に適用されていない
法人事業税の外形標準課税を中小企業にも広げる動きが出てきています。
 そもそも法人税とはなにか。法人の活動から生じる所得に対して、日本で課税される税金には、
法人税(国税)、法人住民税(地方税)、事業税(地方税)、地方法人特別税(国税。ただし申告・納付は
事業税とともに地方自治体に対して行う)があります。
そして、法人の所得(課税所得)に応じてそれぞれの税額を算定して納付しています。また、事業税については、
資本金1億円超の法人を対象として外形標準課税がなされています。外形標準課税とは、企業の利益に関係なく、
資本金や従業員給与などの額に応じて課税されるというもので、赤字であっても支払わなければなりません。
 このたび、法人税を減税するための財源として、資本金1億円以下の中小企業にもこの外形標準課税を
課そうという動きがあるのです。6~7割が赤字といわれる中小企業から広く税金を取ることで減税分の財源を
確保しようというわけです。
 そもそも、法人税を減税して喜ぶのは誰でしょうか。もちろん、収益をしっかり上げている企業は
納税額が減ることを歓迎します。そして、多くの大企業はしっかりと利益を上げてたくさんの税金を
払っているわけですから、大企業が大歓迎なのは納得できます。(実際には租税特別措置によって利益が
出ていても納税していない大企業もありますが・・・)
しかしそのために赤字で苦しんでいる零細な中小企業から徴税するというのは如何でしょうか。
 外形標準課税とは、企業の利益に関係なく、資本金や従業員数などに応じて一定額の税金を課そうというもの
だということは前述したとおりですが、地域の雇用を守っている中小企業が従業員数(従業員給与の総額)に
応じて課税されるなら増員は控えて人員削減方向になる。あるいは賃上げしなくなる。それでは地域経済が
良くならないのではないでしょうか。
 中小企業いじめに他ならない外形標準課税には、商工会議所、商工会連合会をはじめ、中小企業団体が
こぞって反対を表明しています。そして先日、中小企業家同友会の会合で衆議院議員会館に出向いて聞いた
中小企業庁の北川長官の講演でも、北川長官ははっきりと中小企業への外形標準課税の導入には反対だと
おっしゃっていました。
 何でもゴリ押しで進めている今の政府に待ったを掛けることが果たしてできるのでしょうか。