Q-info 第111号 2017年03月発行 【読者訪問】
読者訪問 第86回
お伺いした会社 日本特殊螺旋工業株式会社
お話を伺った方 代表取締役 木内 宏昌 さん
会社の所在地 〒661-0021 兵庫県尼崎市名神町3丁目8番9号
連絡先など TEL 06-6421-0856 FAX 06-6421-0845
事業内容 特殊合金精密加工業
ホームページ http://www.b-titanium.com
チタンなど特殊な合金の加工で他社を寄せつけない強みを発揮しておられる日本特殊螺旋工業さんに
お伺いしました。
木内社長はもともとネジの製造会社にお勤めでした。当時まだ珍しかったチタン合金でネジを
作りたいと会社に申し出たら、『チタンはやる気がない、鉄だけで十分』という返事。
64チタンと呼ばれるチタン合金でネジは作れないと言われていたそうですが、職人的感覚でできると
確信して独立開業されました。そして見事に“鍛造”という工法を用い“転造”によって強度の
高いボルトを作ることに成功。
過酷なレースにおいて高強度が要求されるバイク用のボルトとして高く評価され、
パーツメーカーとして、またレーシングチームも擁するバイク通の方の中では有名なヨシムラで
採用され、同社のチタン合金ボルトを使ったバイクが鈴鹿8時間耐久ロードレースで2度の優勝を
飾るなど、同社のボルトに対する信頼度は高く評価されてきました。
また、バイク好きにはたまらない青い色のついたボルトは日本で最初に作られたとか。
今ではカラーボルトはネット販売でも人気商品となっています。2000年に創業されたとき、
チタン合金の中でも将来的にβ合金が伸びると期待され、新しい技術と概念で伸びゆく企業と
なるようにあやかりベータチタニウムという社名を付けられたそうですが、その後、取り扱う素材が
チタン合金だけに留まらず難易度の高い多くの素材へと広がってきたことから、2012年に現在の
社名に改められました。
特殊な合金の加工ができるところは日本で数社しかなく、よそでできないものの注文が次々と
入ってきて、『どないしょう?』と嬉しい悲鳴を上げることもしばしばとか。
以前使っておられたシステムが件数的に限界が来ていた一昨年、京都竹田のパルスプラザで
開催された「ビジネス交流フェア」で弊社が出展していた生産管理システム『Assist』が
目にとまりました。
そしてお声掛けをいただいたのですが、競合していた他社が積極的な営業攻勢をかけてきたことに
違和感を感じられ、比較的おとなしく打合せを進めていた当社に好感を持っていただけたのか、
「Assist」の導入を決定して下さいました。
売ることしか考えていない営業はダメ、コツコツとやってきたからこそ今があると
おっしゃいます。他社にない強みを活かして売上倍増を目指し、高い従業員満足度を達成したいと
語っておられた木内社長の目標の実現にエールを送りたいと思います。
Q-info 第111号 2017年03月発行 【一丁噛】
“一丁噛”が行く!第104回:パソコンの故障率
先日、Facebookに「メーカー別パソコン故障ランキング2016ー利用者3万人に調査―」と
いうページがリンクされていました。
壊れにくいメーカーの上位に登場したのは、富士通、NEC、Panasonicといった日本勢に
加えて、HP、ASUS、Lenovo、Appleといった海外勢でした。 さて、ランキングは・・・・?
第1位はASUSでした。え? それどこのメーカー? と思われた方も多いのでは
ないでしょうか。
台湾に本社を置くパソコンのパーツ・スマートフォン・周辺機器製造メーカーで、自作用の
マザーボードは有名ですが、比較的低価格のノートパソコンでも時々見かけますね。
第2位はHPで第3位はLenovo、第4位のAppleに続いて第5位にやっと富士通が登場します。
そしてPanasonic、NECと続きます。
台湾製や中国製は壊れやすく、日本製は壊れにくいというイメージをお持ちの方が多いので
はないかと思いますが、この意外な結果、どう思われましたか?
Made in JAPAN の高品質はどこに行ったんでしょうかねぇ。
単純にこの調査結果だけで論じるのはどうかと思いますが、ものづくりが海外移転している
昨今、日本の技術力が低下してきたのでは? と案じるのは私だけでしょうか。
Q-info 第111号 2017年03月発行 【PDF】
Q-info 第110号 2017年02月発行 【読者訪問】
読者訪問 第85回
お伺いした会社 協和精工株式会社
お話を伺った方 代表取締役 山下 徹也 さん
会社の所在地 〒612-8496 京都市伏見区久我西出町8番地8
連絡先など TEL 075-924-5300 FAX 075-924-5302
事業内容 金属加工業(精密機械部品製造)
ホームページ http://www.kyouwa-seiko.com
協和精工さんはフライス、旋盤、溶接などいろいろな加工技術を
擁し、装置の組立から調整までも行うこともできる、即日見積、
短納期をキャッチフレーズとされている精密機械部品の金属加工会社です。
現在の社長は二代目にあたられ、お父様である先代社長が1969年
(昭和44年)に創業されました。
3年前、毎年出展している(公財)京都産業21が主催するビジネス
交流フェアに出展した時のこと、ちょうど弊社ブースのななめ向かいの
ブースで出展されていたのが協和精工さんでした。
弊社はいつも生産管理システムの展示をしているので、見に来て下さいと
営業がお声掛けしたところ、京都中小企業家同友会で弊社の米田を
ご存知だったことから、それならばと生産管理システムのご案内を
させていただきました。
当時、オーダーで作った生産管理システムを使っておられた
のですが、いくつか問題があっていずれは他のソフトに乗り替えないと
いけないと思っておられたタイミングだったようで商談が進み、
デジック社が開発した生産管理システム『Assist』を
ご導入いただきました。
同社では一昨年あたりから独自製品の開発、生産にチャレンジ
されてきておられます。客先からの依頼でものを作るばかりではなく
自分たちの技術を活かして自分たちのブランドの商品を作りたい、
ということで“Teyney”というブランドでちょっとしゃれた
金属加工製品を作られました。
裏表が金銀にキラキラ輝く光沢の玉を木製の盤上で並べていく
などリバーシゲーム(※1)をはじめ、オシャレな栓抜きや文鎮など、
“丁寧なつながりや丁寧な時間のために丁寧に手で作ったものを
提供したい”というコンセプトで生まれました。
(http://teyney.jp/)
展示会に出展したらあちこちから引き合いが入り、
昨年秋、海外から新年までに1,000個欲しいといわれたそうですが、
とてもそんなにはできない、できてもせいぜい30~40個と
いうことで勘弁してもらったとか。
くぼみをつけた木製のゲーム盤を作ってくれるところがそんなになくて、
生産量が増やせないらしいです。
『3Dプリンターなら誰が作っても同じものが大量にできる。
しかし一つひとつ手で作る、ものづくりの楽しさや良さを多くの人に
知ってもらい世の中の役に立ちたい』と山下社長は
おっしゃいます。
ものづくりにこだわって新たな境地を開拓して行かれる同社
にエールを送ってまいりたいと思います。
Q-info 第110号 2017年02月発行 【一丁噛】
“一丁噛”が行く! 第103回:元号
我が国では天皇陛下の生前退位が大きなニュースになっています。
少なくとも退位に伴い元号が改定されることだけは間違いありません。
変更も必要となってくる場合がある、ということは認識しておかないと
いけないでしょう。
よって内部での西暦から元号への変換式に手を加えなければならないと
いうことになります。
すべて西暦表示となっていますので、特にプログラムの変更は必要がありません。
(ということは追加費用の発生もありません)
おかれた方がいいと思います。
Q-info 第110号 2017年02月発行 【PDF】
第35期が始まりました
おかげさまで、35年目がスタートしました!
人としても、最も仕事が楽しく力が発揮できる年齢です。これからもお役に立てる企業を目指してまいります。
宜敷く御願い申し上げます!
Q-info 第87号 2015年03月発行
【一丁噛】
いっちょかみ“一丁噛”が行く! 第82回:東京一極集中
いよいよ北陸新幹線(金沢・富山~長野間)が開業します(2015年3月14日開業)
長野から金沢までが開業し、北陸地方の人が待ち望んでいた新幹線がやってくるのです。
高崎・東京間は上越新幹線と共用しますが、金沢から東京まで最速2時間28分で結びます。
JR東日本とJR西日本が共同開発したE7系・W7系車両が投入され、グリーン車よりもハイクラス
なグランクラス車両(2列・1列)の投入、洗浄便座トイレの設置、全座席への電源コンセントの設置、
交流・直流両用対応の電源制御装置など、鉄道ファンなら興味が尽きないところですが、手放しで喜んでいいのかどうか、複雑
な気持ちです。というのは、何でもかんでも東京に集中してしまう“東京一極集中”が更に加速されると思うからです。
今まで金沢はどちらかというと関西圏のようなところがありました。
大阪から金沢までは特急“サンダーバード”が最速2時間39分で結びます。一方、金沢・東京間は在来線越後湯沢経由で3時間
47分かかっていました。すなわち、金沢から見ると大阪へは約2時間40分、東京へは3時間半以上かかっていたのですが、そ
れが逆転し東京まで2時間半で行ってしまうのです。つまり金沢から見ると、大阪より東京の方が近くなるということなんです。
これは極端に言えば、金沢は関西圏から首都圏になるということですよね。
右図を見て下さい。これは都道府県毎にその都道府県での法人所得を集計してグラフ化したものです。つまりそのエリアの企業
から出てくる申告所得を集計したということです。本社が集中している東京が一番多いのは当然ですが、過去のデータとの比較
に注目していただきたいのです。グラフの「赤」の折れ線は昭和24年のデータです。全国の法人所得のうち、約35%が東京に
集まっています。平成20年のグラフは「黒」の折れ線です。なんと
東京には約50%の所得が集まっているのです。全国の法人所得の約
半分が東京に集まっているのです。しかも、昭和24年から平成20年
までの60年間で、その集中度合いは15ポイントも進んでいたのです。
いまやスーパーといえばイオンばっかり、家電といえばヨドバシカメ
ラやビックカメラなど、関東勢の独壇場です。なんでもかんでも東京に
一極集中していいんでしょうか。私はイオンよりせめてイズミヤへ・・・、
ヨドバシよりジョーシンへ・・・なんてささやかな抵抗をしていますが(笑)
これから高齢化社会を迎えます。蛍光灯がつかないと言ったら、蛍
光灯のグロー球を替えに来てくれる近くの“町の電気屋さん”は激減し
てきています。安倍政権は「地方創生」を重点政策に挙げていますが、
果たして本当に地方が元気になるんでしょうか。
ちょうど2年前の2013年3月発行の第63号でも、同じようなことを
書いていますが、国に期待するばかりではなく、まずは自分たちができ
ること、地方や地域ということを今一度考えてみようじゃないですか。
Q-info87【Excelワンポイントテクニック】表の中で特定の部分だけ数えたいときに使える関数をご紹介
ごぞんじでしたか? Excelワンポイントテクニック
今回は、条件を指定してその条件に合ったデータがいくつあるかを数える「COUNTIF関数」について
ご紹介いたします。
左の成績表の中で、男性と女性の人数を数えてみましょう。
条件に合ったデータの数を数えるには、COUNTIF関数を使います。
COUNTIF関数は、以下の書式で使います。
=COUNTIF(範q囲、”検索条件”)
・・・・すなわち、指定した範囲内で検索条件に一致したセルの個数を返します。
出欠一覧表などで○の数を数えるときなど、大変重宝して使えます。
ご存じでなかった方は是非活用して下さい
Q-info 第87号 2015年03月発行
【読者訪問】
読者訪問 第62回
お伺いした会社 北野化成株式会社
お話を伺った方 代表取締役 北野 正次 様
事業内容 プラスチック加工業(射出成型製品製造加工)
会社の所在地 〒577-0033 大阪府東大阪市御厨東2丁目8番12号
連絡先など TEL:06-6789-0489 FAX:06-6789-5515
URL http://www9.ocn.ne.jp/~kitano
今回は東大阪市にある北野化成株式会社様をお訪ねしました。
同社では1993年に弊社の販売管理ソフト『はんばいQ』を導入していただき、現在までいくどかの
レベルアップを繰り返しながら20数年にわたりお使いいただいている老舗ユーザー様です。
同社はプラスチックの射出成型加工をなさっている会社で、大手電子部品・機器メーカーのコネクターの
ブラスチック部品の製造を手掛けておられます。
現在の社長は三代目にあたります。昔はビニールの透明ケースの製造などをされていたそうですが、
現社長の代になってから積極的に大手メーカーのコネクター部品の下請け製造に
注力され、そのメーカーの発展と共に同社も成長されてきました。
しかし近年はその大手メーカーの部品製造も海外に移転されてきており、全盛期の1/10ほどまでに
落ち込んできたとおっしゃいます。
そんな折、筆ペン製造メーカーから筆ペンの先のインク抽出部のジャバラ部品
の製造依頼が舞い込んできました。
この部品は大変精密なもので、細いジャバラ状のスリットを正確に成型する必要があり、
同社の技術を見込んでの発注だったようです。そんな同社の精細加工技術を活かした
筆ペンや化粧品ケースの精細部品の売上げは、現在では1/4ににまで増え
てきたとおっしゃいます。
当社とのお付き合いは前述のように大変古いのですが、大手メーカーからの
電子発注(EDI)への対応や業態変化に伴うシステムのちょっとした変更など、『はんばいQ』ならではの
小回りのきくカスタマイズで順次対応してきており、今や業務遂行に欠かせないシステムとして
重宝してお使いいただいております。
同社は社員数名の小さな町工場ですが、早くから販売管理システムを導入されるなど、
業務の効率化を進めてこられました。そして、業務効率化で生
まれた時間を生産技術の研鑽に使われ、大手筆ペンメーカーから声がかかるほどの精細加工技術を取得さ
れました。
北野社長は「うちみたいな小さな会社は細々とやっていくしかない」と謙遜しておっしゃって
おられましたが、他社ではできない精細加工技術の強みを活かして、もっともっと発展して下さいますことを
心から願いながら同社をあとにしました。