Q-info 第125号 2018年5月発行 【一丁噛が行く!】

第116回:漏れバケツ

 最近「地元経済を創りなおす:枝廣淳子著」という本を読みました。
2014年に日本創成会議が“2040年までに523の市町村が消滅する”というショッキングな、通称「増田レポート」なるものを発表したのをご記憶の方も多いかと思います。

 日本全体で高齢化と人口減少が続き東京一極集中が収まらない状況で、現実味を帯びつつあるようにも思われる中、この本では、地方の人口減少を食い止めるには地域経済の活性化しかないと説きます。IターンやUターンを呼び掛けて地方に移住する人が増えたとしても、その移住先で生活していくためには「仕事」がなければなりません。つまり、地域の経済活性化が不可欠なのです。

シャッター通商店街が増えている地方経済を立て直す、活性化するにはなにが必要か。地域に入ってくるお金が少ないのではなく、地域から出ていくお金を少なくすることが必要だと、ロンドンに本部があるNEF(New Economics Foundation)という組織が打ち出した“漏れバケツ”理論を紹介しています。
政府からの交付金や補助金、企業誘致や観光客の呼び込みなどしてお金を注いでも、補助金で行う建設工事を地域外の業者に発注したり、郊外の大きなショッピングセンターで買い物をしたりしたら、それらのお金は東京などの地域外に出て行ってしまいます。まさに、穴の空いているバケツにいくら水を注いでも漏れているのと同じことになるのです。

 いま京都は空前の観光ブームで大勢の観光客が押し寄せています。
レンタル着物を着て歩く外国人観光客の多さには驚きますがそれらの着物は京都で生産されたものではなく、海外や地方で安く作られたものが大半です。
つまり、観光客から入ったお金が京都に留まらず、海外や地方に流失してしまっているのです。穴の空いたバケツの穴をどうやって塞ぐのかが重要なのです。

 私は以前から、家電量販店でパソコン部品などを買う時も京都駅前にある全国規模の量販店ではなく、地元関西資本で阪神タイガースを応援している量販店で買うようにしていますし、家で使う家電製品は同友会仲間の地元の電気屋さんから買っています。食料品なども全国あちこちにある大きなショッピングモールではなく、地元スーパーで買うように心掛けています。

 この本を読んで地消地産(地域で消費するものは地域で作る)や地域内経済循環の重要性を再認識しました。  (一丁噛)