Q-info 第128号 2018年8月発行 【読者訪問】

読者訪問 第103回

お伺いした会社 株式会社キョークロ
お話を伺った方 代表取締役 寺田 理 さん
会社の所在地  〒607-98146 京都市山科区東野舞台町5-5
連絡先など   TEL 075-592-5888 FAX 075-592-0800
事業内容    めっき業(各種金属部品の表面処理および技術サービス)
URL     http://www.kyochro.co.jp

 今回はめっきと塗装で業界をリードされているキョークロさんにお邪魔しました。
同社は1958年に先代社長が個人事業として創業されてから今年60周年を迎えられました。
ネジの表面処理を得意とされており、いろいろな研究開発をしてこられました。
ネジは大きなものから小さなものまでその種類も多くありますが、いずれの場合もネジの精度を維持するためにめっきや塗装の皮膜は薄くなければならず、それでいて本来の防錆性や耐摩耗性を維持しなければならないためにその表面処理には高い技術力を必要とします。
創業期にクロメートという亜鉛めっき(防錆処理)の技術をいち早く導入し、京都クロメート工業所という名前で法人化され、1983年に現社名のキョークロに変更されました。

 当社が創業した1981年、私は先代の社長と出会い大変お世話になりました。当時ソード社のPIPSという簡易言語システムが徐々に注目を集めてきており、そのPIPSに興味を持たれた先代社長がメーカーに問い合わせをされたところ、京都で取り扱っている弊社にメーカーから連絡が入り、京都クロメート工業さんにお伺いしたのが私と先代社長との出会いでした。
それをきっかけに創業まもない弊社にいろいろとご支援いただき大変感謝いたしております。
その後、弊社がPIPSの取り扱いをやめたことからキョークロさんとのご縁も薄くなってしまいました。

3年ほど前、ある展示会で当社が出展していたところ寺田社長がお立ち寄りいただき、お話しさせていただいたのがきっかけでまたお付き合いさせていただくことになりました。当時稼働していたシステムの更新時期でもあったことから、弊社からもご提案させていただき、新システムへの更新をご用命いただくこととなりました。
 お礼のご挨拶を兼ねて同社に伺うに際して先代社長(現会長)が出社される日に合わせてお伺いし、先代社長と何年ぶりかで再会させていただきました。いまもお元気になさっており、38年ほど前の話に花が咲きました。

 キョークロさんは先代社長の時から新技術の導入には積極的で、各種装置の自社開発など他社に先駆けて取り組んでおられました。
その先進性やチャレンジ精神は現社長にも引き継がれており、6価クロムの有害性が指摘されるやいなや、6価クロムを使用しない表面処理技術を確立するとともに、環境にやさしい技術開発のための別会社を作るなど、ともすれば環境問題の矢面に立たされる可能性があるめっき業で真っ正面から環境問題に取り組んでこられました。そしてめっき業界でいち早くISO14001(環境マネジメントシステム)の認証を取得されました。

 また、製造業の海外移転や中国をはじめとする海外企業との価格競争が激化する中、日本に残る仕事をしていかなければならないと考え、研究開発を通じて新たな技術や製品を生み出していくことの重要さに気付かれ、機青連(京都機械金属中小企業青年連絡会)を中心にいろいろな勉強をしていく中で、仲間とともに「京都試作ネット」を立ち上げられました。
難しい案件に真っ正面から取り組んで行くことにより、新たな技術を習得し新たな市場開拓もできるとおっしゃいます。
同社の強みはめっきと塗装の複合処理ができることだとおっしゃいます。特にネジは量産に見合うコストで安定して薄い皮膜での高性能を求められる。常にユーザーニーズとの戦いだとおっしゃいます。
そして機能面で追いかけているといろんなものが出てくる。コーティング剤をはじめとした各種の有機物など、まだまだいろいろなものの用途開発をしていく必要と可能性があるとおっしゃいます。

 いま寺田社長の夢は自社商品を持ちたいことだとおっしゃいます。加工請負の業態だけではなく、自社ブランドを持ったメーカーとしてキョークロという名前や自社ブランドを確立したいとおっしゃいます。常に前を見てチャレンジすることを恐れず、 「キョークロにしかできない仕事をつくりあげていく」という信念を熱く語って下さいました。
試作案件が毎月100件ほど持ち込まれるという同社にとって、社長の思いは夢ではなく着実に実現に向けて歩み出していると感じました。
キョークロワールドの実現に向けて弊社がご提供しているシステムが脇役として少しでもお役に立てることを願いながら同社をあとにいたしました。

(米田)