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Q-info 第133号 2019年1月発行 【読者訪問】

カテゴリー[コラム/Qinfo, 読者訪問]

読者訪問 第108回

お伺いした会社  京都エレベータ株式会社
お話を伺った方  代表取締役 田中 陽一 様
会社の所在地   〒600-8352 京都市下京区岩上通高辻下ル吉文字町457
連絡先など    TEL:075-822-0420 FAX:075-822-0578
事業内容     エレベータメンテナンス業
URL      http://www.kyoto-elevator.com

 新年の読者訪問1回目は昨年12月に竣工したばかりの京都エレベータ㈱の城陽工場をお尋ねし、田中社長にお話を伺いました。
 京都エレベータさんには2011年に同社の業務に沿ったシステムを開発して導入させていただき、その後、そのシステムをベースにエレベータ保守管理システム『SmartUP’s』をパッケージ化して、同社のご協力をいただきながら全国販売しています。そんな関係もあって同社には6年前の2013年1月号の本コーナーにご登場いただいており、当時取締役業務部長だった現田中社長にお話を伺っております。

 田中社長は新卒で同社に入社され、2014年に社長に就任されました。現在勤続25年だそうです。
創業社長の岩島相談役の親族でもなく、生え抜き社員である田中さんに社長を譲られたということで、中小企業では比較的珍しい事業承継をされました。
その辺のところをお聞きしてみると、もともと同社では新卒採用が盛んで、それ故に社員教育には並々ならぬ努力をされてこられたそうです。そういった環境の中で育ってきた優秀な人材を登用するという社風が根付いていたそうで、身内でなくても優秀な人材を…ということで社長に抜擢されました。

 同社はエレベータのメンテナンス(保守)会社です。エレベータというと、三菱・日立・東芝・フジテック・オーチスという5大メーカーが生産しており、メンテナンスもそれらメーカー系のメンテナンス会社が行っているケースが多いのですが、一方、独立系のメンテナンス会社も全国に数百社あるそうで、メーカーにこだわらずどこのエレベータでも保守作業ができることを強みとして頑張っているそうです。しかし近年はエレベータの新設が少なくなり、メーカーがメンテナンスにも力を入れだしてきた結果、価格競争が激化してきたとおっしゃいます。
 同社はメーカーと変わらない技術を提供できる中小企業として、「安全」「安心」「きれい」「快適」をキーワードにそれらを強みとしてやってこられました。そして技術力の向上のために十分な時間をかけて教育もしてこられました。しかし座学では限界があり、古いエレベーターを教材としてバラして勉強してこられたそうですがそれでも知識や経験の取得は限られ、それならいっそのこと作ってしまおうかとメーカーになる道を選ばれました。「作ることをやるとメンテだけの時よりはるかに技術力が向上する」とおっしゃいます。

 そもそも大手が作っているエレベータは規格品で顧客の細かな要望には応えられません。海外生産も含めて量産しておりデザインも一定でイージーオーダー対応ができません。できないというより手間がかかるのでやりたがらないといった方が正しいかも知れません。仮にやったとしてもべらぼうに高いものになってしまいます。しかし昔のイメージを残しつつ新しい機能を持ったエレベータを望む顧客も少なくありません。そういった、イージーオーダーの需要も自社生産に踏み切る後押しとなりました。

 巨大メーカーを相手に細かな顧客の要望に応えられるものづくりで勝負していきたい。京都での生産を意識してメイドイン京都のエレベータを作りたい。建築、建材、内装、電装、デザインなど、中小企業家同友会の仲間の連携を促進して知恵を出し合い、中小企業ならではの強みを発揮して大手に負けないエレベータ作りをしていきたいと意気込みを語っておられました。

 さらに田中社長にはもう一つ大きな夢があるとおっしゃいます。
それは、エレベータ技術者を養成する学校を作りたいという夢。
「独立系エレバータ業界の技術力アップに貢献したい。人の命を預かるエレベーターだから独立系中小企業エレベータメンテナンス企業の技術力アップに貢献したい。そのために、この城陽工場を業界の中小企業メンテ会社の教育の場として活用してもらいたい」と熱く語っておられました。
 大手との価格競争でメンテだけでは先細りするという危機感と、独立系エレベータメンテナンス業界を支えていく夢とを抱き、これからも業界の中で確固たる存在感を発揮しながら頑張っていかれることを期待すると共に、是非、夢の実現にむけて邁進されることを願っております。

(米田)