Q-info 第138号 2019年6月発行 【ネコの穴】

テーマ:生産管理システムと効率化

 アメリカのある救急病院のお話です。この病院は、手術室に大きな問題を抱えていました。
32の手術室で年間3万件あまりの外科手術が行われていて、予定を組むのが難しい状態でした。出術室は、常に予約でいっぱい・・そのために急患が出ると予定の組み直しに四苦八苦。スタッフはしょちゅう、予定外の残業をしていました。

 この危機的状態から劇的に改善します。
どうやって? 簡単なことだったようです。「32ある手術室の内、1つを緊急手術専用に常時空けておく」たったこれだけです! 空きがないって言ってるのに、あえて1つを空けておく・・ 上記方法を採用してから2年間、病院の手術件数は毎年7~11%増加しました。

 なぜ劇的に改善したのでしょう?

 手術には2種類あります。計画的なものと計画外のもの。当時、32の手術室は総て計画的な手術で埋まっていました。計画外の手術が発生するとスケジュールの組み替えが必要になります。急患を受け入れる… 計画的な手術を組み替える代償が伴います。長時間労働による残業代(経済的代償)、計画の変更は現場を混乱させる確率が上がりますから、医療ミスが増えるという医療上の代償… 長時間労働による技量低下(手術時間が長くなってしまう)などの効率の代償です。恐ろしい…

 ところが、「急患は常に空けてある緊急手術専用の手術室で対応する」ことで、総てが計画通りに回りました♪

★計画外の手術は必ずあるものだと計画したことが改善に繋がりました!!★

 行動経済学では、「スラック(余地とか、余裕)を設ける」というそうです。私達が進めている、「システムを使って効率化を図りましょう! 無駄を省きましょう!」って真面目に考えると、どうしても無駄を省くことばかりに注視してしまいますよね。計画的な生産予定をきっちり回そう!非常に大切なことです。
 でも、もしかしたら敢えて「スラック」を設けることで効率性や生産性がグッと上がるかもしれません♪

 生産管理システム「Assist」は、機械や人の負荷率を可視化出来ます。見る側(私達)の視点が多ければ多いほど、意外な側面が見えてくると考えます。 是非、いっしょに考えていきましょう!