実務に合った販売管理・生産管理のシステムで業務効率の改善をサポートします!

京都府京田辺市河原平田23番地の16

0774-63-1131

Q-info 第138号 2019年6月発行 【読者訪問】

カテゴリー[コラム/Qinfo, 読者訪問]

お伺いした会社  株式会社丸嘉
お話を伺った方  代表取締役 小畑 隆正 様
会社の所在地   〒612-8297 京都市伏見区横大路貴船114
連絡先など    TEL:075-622-1408 FAX:075-622-1400
URL      https://www.muku-flooring.co.jp 
業務内容     木材卸業(天然木・無垢フローリング)

 今回は住宅建設用をはじめいろいろな木材を取り扱っておられる株式会社丸嘉(マルヨシ)さんに、小畑社長をお訪ねしました。同社は1859年(安政6年)に創業されたそうですから、創業160年の超老舗企業です。現在の小畑社長は5代目だそうで、平成17年、35歳の時に社長に就任されました。

 以前は木材卸商として建材メーカーから仕入れて工務店などに販売されていました。ホームセンターなどがない時代は商社的な事業を薄利多売でこなしていたそうです。ところが市場環境が大きく変化してきました。建材メーカーやハウスメーカーが主導するようになり、木材業者や製材所の数も激減。そんな中で社長に就任し、「時代が変わってきている。このままではいけない。新しいことにチャレンジしなければ・・・」と強く思われたそうです。
 折しもそんな時、京都中小企業家同友会の中である言葉をお聞きになりました。『経営革新をしようと思ったら3つのことを変えなアカン。・売るものを変える ・売り先を変える ・売り方を変える そうすることが第2創業や』と。

 ここから小畑社長の挑戦が始まりました。業界の常識と正反対のことをやろう、イヤなことはやめよう、やりたいことをやろう、と。
 まず海外から材木を仕入れて日本で売ることに挑戦。アメリカ、カナダ、中国、フランス、ベトナムなどから木材を仕入れて日本で売る。国産材を扱っているところは多いので海外材での差別化を図る。ホンモノの木にこだわり無垢フローリングを積極的に展開。販路も地域から全国へ広げ、男性中心だった職場も女性中心にシフトさせ、ショールームも開設し、BtoBからBtoCにシフトしていかれました。SNSを使って積極的にPRすると建築主が工務店と一緒に来店して、気に入ったフローリングなどを探し、それを工務店が仕入れて建設主のところで施工するという変則型のBtoCが生まれました。
また昨今は古いものへの郷愁からか木材に対する関心も高まってきました。古家を潰した時に出る材木を買い付けて古材としてリユースする事業も積極的に展開されています。某ハンバーグレストランのように古材をふんだんに使った店舗作りをするなど、新建材では出せない味を追求する動きも加速してきました。

 いろいろ革新的なことをやっていくにあたって、先代からの苦言はなかったですかとお聞きしたら、『いろいろ変えていってもええけど、今までの歴史の上に立っていることは忘れたらアカンでと言われた』とおっしゃっていました。
その言葉を守ってきておられるからか 『毎年毎年、何らかの革新を起こしてきているが、変わってないのは木を扱っていることだけ』とおっしゃる小畑社長の目は自信にあふれていました。
 木材は大切にするのではなく使わなければならないとおっしゃいます。木を切って使ってそしてすぐまた植える。森林は放ったらかしにしていてはいけない。切って使って苗を植えて育ててまた使う・・・という循環型社会の構築が大事だと。
一時期、割り箸を使うと森林破壊になるので使うのを控えた方がいいと言われましたが、小畑社長は『割り箸は使った方がいい。木はどしどし使ってまた植えていくことが大事なんだ』とおっしゃっていました。

 本物志向や木のブームなどを背景に需要が増加し供給量も増えてきているそうです。最近、山を買われたそうで、木を植えて育てて切って使ってまた植える・・・。川上から川下まで、ゆりかごから墓場までではないですが、山の苗からリサイクルまでを手掛けていこうとなさっています。
ナンバーワンよりオンリーワンを目指し、大分会社も変わってきたそうです。アンティークなものやユニークな材木を求めて全国から見に来られるそうで、年間500件もの新規の来店があるとか。

 会社に伺うと小畑社長の“やりたいことをやっていこう”の先に見える夢に向かって、全社一丸となって進んでおられる様子がよく分かります。また数年後にお邪魔して変化を見たいと思いながら、これからのますますのご発展を願い同社をあとにしました。

米田