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Q-info 第141号 2019年9月発行 【読者訪問】

カテゴリー[コラム/Qinfo, 読者訪問]

 今回は2010年11月号(第35号)でご登場いただいた㈱平安の江端社長に再登場いただきました。
江端社長とは10年ほど前にある会合でご一緒させていただいたのがご縁でお付き合いさせていただいております。現在も『京都文化創生会』という会合でご一緒させていただいており、月に一度程度はお目に掛かっております。
 同社では以前からあるソフト会社が制作した販売管理システムをお使いになっており、なかなか私どもにお鉢が回ってきませんでした。ところが先日、江端社長から「システムの更新を考えたいのでちょっと来て欲しい」とお声掛けいただきました。お伺いしてお話を伺って驚きました。

 実は25年あまり同社の事務を引き受けてこられたベテランの事務員さんが今年6月に急逝されたんだそうです。
しかも、会社のトイレで。急性くも膜下出血で55歳だったそうです。ベテラン事務員さんだっただけに、会社の事務的なことはすべて任しておられました。任せっきりにしていたので“すべてブラックボックス”だったとおっしゃいます。販売管理システムの運用も例外ではなく任せっきりで、特に何も言われなかったのでシステムの更新も考えなかったそうです。

ところがそんな事態になってみると、従来のシステムの運用を検証しながら覚え直すより新たに自分がシステムを構築した方が早いということでお声掛け下さったそうです。時あたかもWindows7やWindows2008サーバーのサポート期限が来年1月14日に迫っていることも見直しの要因だったようですが、いろいろな事務作業をすべて一から見直ししなければならず、大変な労力を使っているとおっしゃっていました。

今回のことで、いくつかの教訓があったとおっしゃいます。
まず第一にいくら有能な社員であってもすべて任せっきりにしているとブラックボックス化してしまい、不測の事態が生じたときの対応に支障をきたすということ。BCPの観点からも業務のあり方を考えないといけないとおっしゃっています。
また、会社と従業員のご家族との関係もしっかりと構築しておかないといけなかったとおっしゃいます。というのは、今回、お亡くなりになった事務員さんは高齢のご両親と同居なさっていたのだそうですが、倒れられてすぐにご自宅に電話を掛けたところなかなかお出にならなかったそうです。会社の電話番号などをご家族に知らせていなかったらしく、知らないところからの電話にご両親がお出にならなかったそうです。結局電話連絡が出来ず、ご自宅まで出向いて事の次第をお伝えしたとのことです。ご家族に会社の電話番号を伝えているかどうかなど普段は気もつかないのでいい教訓になったとおっしゃっていました。

 現在、同社の課題はやはり人材不足。特に内装工事がやれる職人さんの不足が痛いとおっしゃいます。なんとか外注先を確保しながらこなしているが、先々のことを考えると問題は簡単に解決しないので業態の変更も視野に考えていかなければならないと。
現在はネット販売に力を入れ、さらにネット販売での売上を増やしていきたいとおっしゃっていました。

 ベテラン社員さんの急逝という大変な事態も乗り越えて、更なる盤石の体制を築いていかれますことを念じつつ同社をあとにしました。

(米田)