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Q-info 第146号 2020年2月発行 【読者訪問】

カテゴリー[コラム/Qinfo, 読者訪問]

読者訪問 第121回

お伺いした会社  こと京野菜株式会社
お話を伺った方  取締役副社長 宮川 光太郎 様
会社の所在地   〒621-0252 京都府亀岡市本梅町中野流田10-1
連絡先など    TEL::0771-26-8011 FAX::0771-26-8012
業務内容     京都産 京野菜の冷凍加工
URL      https://kotokyoyasai.co.jp

今回は京野菜の冷凍加工をなさっている、こと京野菜さんの宮川副社長を訪ねました。
同社はもともと、こと京都(株)と岩谷産業(株)の共同出資で2015年に設立された会社です。こと京都さんは九条ネギの生産・加工・販売を手掛ける農業生産法人で、同社の代表はこと京都(株)の代表取締役である山田敏之氏がなさっています。(こと京都さんには、2015年1月号の読者訪問でお邪魔しています)

同社は、こと京都や京都府内の農家が生産した京野菜を、岩谷産業が有する独自の冷凍加工技術「フレッシュ・アイ製法」を使ってまるで採れたてのように美味しく冷凍加工して市場に供給することを目的として設立されました。

京野菜はものによっては旬の時期が短く生産量が限られています。旬の時期にまとめて冷凍することにより、年間を通じて安定的な供給をすることが可能になります。また、農産物は一般的に豊作になると値が下がります。流通側は一定量しか買い取らず、余った野菜を道の駅などで安売りしなければならなくなります。一方、マイナーな野菜は一定量の供給を求められても出せないことが往々にしてあります。天候などによって収穫が左右され不作になって十分供給出来なくなることもあります。
そのような京野菜の市場環境の中ではコストも売上も読めません。よって後継者が育たない、生産量が減る、市場規模が縮小するという悪循環に陥ります。

そこで、こと京野菜では冷凍技術を駆使することで、旬の時期に採れた良いものをそのまま冷凍保存し、市場が求めるときに安定供給することを目指しています。地元農家には『出来たときに出来ただけ持ってきて』と言っています。豊作で値下がりを気にすることもなく安心して作ることが出来ます。普通、100t出そうとすると150t~200t作るのだそうです。余った分をこと京野菜に持ち込んで買い取ってもらう。農家にとって『あそこはいつでもちゃんと買ってくれる』と余った野菜の受け皿になっています。収穫量の波にとらわれないで荷受けしてくれる仕組みは、農家から大変喜ばれているそうです。宮川副社長は「中小企業は地域と共に生きていかなければならない。そのためには地元の生産者といい関係を作り、お互いにあてにされることが大切だ」とおっしゃいます。

岩谷産業のフレッシュアイという技術は、冷凍前に蘇生させて冷凍するのがポイントだそうです。既存の冷凍野菜は収穫して時間が経ってから冷凍しているので解凍したときに鮮度が落ちているとおっしゃいます。収穫したときが一番品質がいい、即冷凍すると細胞壁が壊れない。なので、同社では劣化してから冷凍するのではなく、収穫してすぐに冷凍する、しかも蘇生させて冷凍する。その結果、収穫段階の品質をキープ出来るので、収穫してから時間が経っている生鮮物より新鮮な状態で食べられるのだそうです。
流通段階で時間が経っている生野菜よりフレッシュアイ製法での冷凍野菜の方が鮮度がいいと言うことを知ってもらいたい、そして、冷凍の概念を覆したいとおっしゃいます。

冷凍することによって京野菜が輸出が出来るようになった。生の九条ネギはバンコクが限界。でも冷凍なら香港でもシンガポールでも、アメリカでも使ってもらえる。マンハッタンの和食店で京野菜を使ってもらえることを目標に頑張りたいとおっしゃっていました。

昨年、IT導入補助金を活用して弊社の販売管理システム『はんばいQ』を導入していただきました。もともと市販のパッケージソフトを使っておられたのですが、やはりもっと自社に合ったものをということで、こと京都さんで使っていただいている『はんばいQ』をベースにしてご導入いただきました。

よりフィットしたシステムの導入で生産性が向上し、アメリカ進出をも果たしていただけることを願っております。

(米田)