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Q-info 第166号 2021年10月発行 【読者訪問】

カテゴリー[コラム/Qinfo, 読者訪問]

読者訪問 第141回

お伺いした会社  藤井絞株式会社
お話を伺った方  代表取締役社長 藤井 浩一 様  
会社の所在地   〒604-8212 京都府京都市中京区六角町365番地
連絡先など    TEL:075-221-5504 FAX:075-256-5171
ホームページ   http://fujiishibori.jp
メールアドレス  fujiishibori529@crest.ocn.ne.jp
事業内容     絞り染め呉服製造卸

 今回は、「京鹿の子絞」の技術、伝統を受け継ぎ、着物づくりに励んでおられる藤井絞㈱の藤井社長をお訪ねしました。
同社は大正4年(1915年)の創業ということなので今年創業106年目を迎えられた老舗企業です。
「京鹿の子絞」とは千年余りの長い伝統を受け継いで京都で生産される絞り技術・技法の総称で、同社ではその技術、伝統を受け継いで絞り染め呉服の製造卸をなさっています。
その生産工程は多岐にわたるのですが、同社は一芸に長けた職人さんを束ねて分業でものづくりを行って行く、まさにオーケストラの指揮者のような仕事をやっているとおっしゃっていました。

 藤井社長は神戸市のご出身でもともと機械商社にお勤めだったそうです。
プラズマディスプレイや液晶の製造機械を扱っておられたそうです。阪神淡路大震災で東京に行き、東京ではサリン事件で大騒ぎし・・・・。
そんな中で同級生だった奥様とご結婚されてこの業界に入られたそうです。
呉服業界に入ってみて、あまりにも今までの世界との違いに驚かれます。
最先端の機械を売っていた商社マンが伝統工芸の世界に飛び込んだのですから、その世界の違いも大きかったと思いますが、それにも増して商慣習の違いに驚かれたそうです。口約束がまかり通り、契約書などというものもない世界で、一般的と言われるやり方にどんどん変革をなさってきたそうです。他の業界を知っているからこそ、呉服業界の非常識に気付き、当たり前のことを当たり前にやる努力をなさったそうです。

 そしてまた『呉服屋が着物を着ていない。自分で着ないものを人に売りつけている。自分が買わないものを人が買うわけがない。』とおっしゃいます。そして、着物を着ていない呉服屋は信用されないとも。

 着物を着ることにこだわった藤井社長は、昨年4月からインスタグラムで毎日着物姿をアップすることをはじめられました。
“shibori529”というアカウントでアップされています。是非、ご覧になって下さい。
Facebookは10年、Instagramはやり始めて9年という藤井社長は、InstagramやFacebookだけではなく、ClubhouseなどいろいろなSNSにチャレンジして発信しておられます。
すると消費者と簡単につながることができ、「これ見たい」とか「これ欲しい」とかいう反応がどんどん出てきて、「どこに行ったら見られる?」ということで小売店を紹介する。小売店は社長ファンが買いに来るので品揃えに力をいれる。まさにSNSを活用したマーケティングを実践なさっています。

 シスポートと同社とのお付き合いはかなり昔に遡ります。MS-DOSの時代にある販売店経由で初期の『ごふくQ』(呉服卸売業向け販売管理)を導入いただいたことが始まりです。ところがその販売店のサポートが悪く、業を煮やした先代社長は他社のソフトに乗り換えられました。その後、何年も経って現社長が「中信ビジネスフェア」の当社ブースにお立ち寄りいただいて『ごふくQ』をご覧になり、「これ、ええやん」と。そんなわけで、またご縁をいただき『ごふくQ』のユーザーになっていただきました。

 私も着物は好きで時々着ているのですが、“呉服屋が着物を着ていない”とおっしゃることには全くの同感です。もっともっと,特に着物を着る男性が増えればいいのにと思っています。
“着物を着たシステム屋”というのも面白いかななどと思いながら、日本の伝統文化を守り継承していくことに力を注ぎながら、新たな顧客の創造に努力なさっている同社のご活躍を祈念しながら帰路につきました。

(米田)