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Q-info 第169号 2022年1月発行 【読者訪問】

カテゴリー[コラム/Qinfo, 読者訪問]

読者訪問 第144回

お伺いした会社  プロニクス株式会社
お話を伺った方  代表取締役 森本 奈美 様
会社の所在地   〒611-0041 京都府宇治市槇島町落合144-7
連絡先など    TEL:0774-28-1045 FAX:0774-28-1046
ホームページ   https://www.pronics.net/
事業内容     検査測定ービス、精密金型設計製作、プラスチック成形

 今回は今年度のIT導入補助金の交付決定を受けられたプロニクス株式会社に森本社長をお訪ねしました。
森本社長とはちょうど1年前、ある人の紹介でお目にかかりました。いろいろな業務管理をExcelを使ってやっているが、部署毎にバラバラなところもあり全社的に連携したシステムを導入したい、そして属人的な要素を排除して誰がやっても同じように出来るようにしたいとのことで、今年1月から打ち合わせをはじめさせていただきました。
その打ち合わせの過程で補助金があれば使いたいとのことでしたので、IT導入補助金の申請をお勧めしました。そしてIT導入補助金の第1次公募(2021/5/14締切)に申請されました。ところが残念ことに審査結果は不採択でした。

 IT導入補助金は、当社のように登録されたIT導入支援事業者と申請者が協力し合って申請する形態となっており、当社としてはなんとしてでも採択してもらいたいと第2次公募にリベンジしていただきました。
ところが、第2次公募の結果も不採択でした。こうなれば意地でも交付決定を取ってやるとの思いで、同社のご担当者様と一緒になって再度挑戦し、やっと3度目の正直で10月29日に交付決定をいただきました。当社としては内心ホッとしています

 同社は現社長のお父上が1989年(平成元年)に創業されました。もともと金型の設計の仕事をなさってきた経緯から精密寸法測定の重要さを認識し、外注として精密測定をやるところがなかったことから、寸法測定の専門会社としてスタートされました。
金型を作ってその金型で出来た製品の寸法が、設計図通りになっているかどうかを測ることは大変重要です。
大量生産に入る前に図面と成形品を送ってもらって測定するという重要な役割を担っておられます。わずかな誤差が大きな影響を生むことも少なくないものづくりの世界で、時にはミクロン単位の精度まで要求される精密測定を、試行錯誤しながら確立してこられました。
同社のHPには『日本のモノづくりを支える寸法測定の技術が、ひいては世界のモノづくりに革命を起こすことを信じて、これからもお客様と共に歩んでいきます。』と記されています。

 同社は検査測定部の他に金型課と成型課がありますが、緻密な作業を要求されることからか同社では女性が圧倒的に多く(女性比率70%)、特に検査測定部は女性ばっかり40名で運営なさっています。
 現社長は創業社長の三女にあたられます。他の会社で働いておられたのですが、親の会社に行ってみてもいいかな、少しは貢献できればいいなと入社されました。しかし、結婚・出産・子育てのため9年間ほど専業主婦をされ、2019年(令和元年)に会社に戻って来られました。会社に戻るなりすぐにお父上から社長をやれと言われたそうです。
 もともと先代社長は、ベトナムとタイにある工場に行っておられることが多く、毎月日本には1週間もいるかどうかというようなことだったそうで、そのため社内でしっかりと管理者を育て、自分がいなくても回るようになさっていたそうです。ですから、事業承継もスムーズに出来たそうです。

 現在の経営課題は人材確保だそうです。思うように人が採れないと。昨年は新卒を6人採用されたそうですが今年はまだ2人しか採用できていないそうです。男性の応募があっても女性が多いので尻込みしてしまうこともあるとか。
今後の抱負としては、仕事をしていて楽しいと思える会社にしていきたいと語っておられました。

 まだまだ社長業の実感は湧かないとおっしゃっておられましたが、女性の多い会社ならではの社風を作って、楽しくやさしく、そして堅実な会社経営をなさって行かれるだろうと思いながら帰路につきました。森本社長のこれからのますますのご活躍に期待しております。

(米田)