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Q-info 第170号 2022年2月発行 【ネコの穴】

カテゴリー[コラム/Qinfo, ネコの穴(ITアドバイザー養成所)]

テーマ:電子帳簿保存法(電帳法)

 2022年1月1日から電帳簿保存法(電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律)
[略称:電帳法]が改正されました。
 電帳法は1998年に施行されてから数回の改定が行われてきました。徐々に電子データ保存が認められる範囲が拡大されたり要件が緩和されたりしてきました。そして今回、更に要件が緩和されたとネットには書いてあるのですが、調べると調べるほどやはり複雑でわかりにくいです。
 しかし、どうしても押さえておかないといけないところはあるので、その点についてご説明します。

【電子取引の電磁的記録の義務化】

 これまで認められてきた電子取引での取引情報を出力した書面は保存書類として取り扱わないこととなり、電磁記録として定められた要件に従って保存することが義務づけられます。
 つまり、電子データで受領した書面を印字して、紙の状態で保存することが認められなくなるということです。

電子取引とは何を指すのでしょう?

  1. 電子メールにより請求書や領収書等のデータ(PDFファイル等)を受領
  2. インターネットのホームページからダウンロードした請求書や領収書等のデータ(PDFファイル等)又はホームページ上に表示される請求書や領収書等のスクリーンショットを利用
  3. 電子請求書や電子領収書の授受に係るクラウドサービスを利用
  4. クレジットカードの利用明細データ、交通系ICカードによる支払データ、スマートフォンアプリによる決済データ等を活用したクラウドサービスを利用
  5. 特定の取引に係るEDIシステムを利用
  6. ペーパーレス化されたFAX機能を持つ複合機を利用
  7. 請求書や領収書等のデータをDVD等の記録媒体を介して受領

では取引情報とは何を指すのでしょう?
注文書や契約書、送り状、納品書、領収書、見積書などです。

つまり、メールで送られてきた見積書や請求書のPDFデータ、複合機でデータ化されたFAXデータ、Webからダウンロードした支払明細データなどを印字して保存することが認められなくなるということです。

そして、電磁的記録(電子データ)として保存するに際しては、以下のいずれかの要件を満たしていることが必要とされます。
 ・タイムスタンプが付与された後の授受
 ・授受後遅滞なくタイムスタンプを付す
 ・データの訂正削除を行った場合に、その記録が残るシステム、または訂正削除ができないシステムを利用

なお、政府は昨年末、電子データで受け取った請求書や領収書を電子保存するよう企業に義務づけるのを2年間延ばすことを決定しました。しかし、2年間の猶予です。今から対応を考えておくことが必要かと思います。