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Q-info 第186号 2023年6月発行 【読者訪問】

カテゴリー[コラム/Qinfo, 読者訪問]

読者訪問 第161回

お伺いした会社 コスミック株式会社
お話を伺った方 代表取締役 伊藤 範行 様
会社の所在地  〒604-0971 京都市中京区富小路通竹屋町上ル枡屋町334富友ビル2階
電話番号    TEL 075-254-7755  FAX 075-254-7756
事業内容    京染呉服製造卸業

 今回は昨年度IT導入補助金の申請が採択され、呉服業向け販売管理システム(ごふくQ)を導入くださいましたコスミック株式会社の伊藤社長様にお話を伺いました。
 伊藤社長は昨年社長に就任されました。以前勤めておられた会社が呉服事業から撤退するということで前社長と一緒に2002年に独立開業され、昨年社長交代されました。

 呉服製造卸ということで、白生地を染めに出して上がってきた反物を仕立ててオリジナルな着物を作るというプロセスを担っておられます。独立にあたっては以前お付き合いのあった染屋さんやお客さんが付いてきてくれたので、前会社の基盤を引き継いでやることができたとおっしゃっていました。

 最近は原価が高騰してきて大変だそうです。特に白生地や材料費があがり、おまけに人材不足もあって納期も延びてきて、昔に比べれば倍近くになっているケースも少なくないそうです。
卸売という性格上、相手もうちから買わなければならないということもないのが辛いとおっしゃいます。
しかし、自社でのオリジナルな製品をもっていることが強みとなり、厳しい中で何とか頑張っているとのことでした。特に直接、工場や問屋さんと話ができスピーディに回答が出せる。意匠力、図案力などのデザイン力が強みだそうです。
自社の型を持っているので先方の意向を聞くと図案家と協業してオリジナルなものを短時間で作ることができる。小回りが効くメリットを活かし、大手に負けない戦略で生き残っていきたいと力強くお話しされていました。

 街で着物を見かけたとき、自社で作ったヤツはすぐわかるとおっしゃいます。生地、柄、配色からやるので覚えている。自分で白生地から作っていってるので情が入る。メーカーとしての気持ちをもって最後まで面倒を見ることを心掛けているということで、問屋やユーザーにとっては有り難い限りです。

 ただ生活様式の変化もあり業界全体は大変厳しいとおっしゃいます。特にコロナ禍では店頭での催事販売ができなかったので売上が激減したそうです。徐々に戻りつつあるとはいうものの、まだまだコロナ前までは戻っていないとか。しかし着物を着たいという潜在ニーズはあるので、ニーズに応えられるようないいものを作っていきたいとおっしゃっていました。

 コンピュータシステムは前職の時からお付き合いがあったシステム会社さんのものを使っておられましたが、その会社の社長が高齢になって十分サポートができなくなり、ついにシステムがダウン。その会社の紹介で急遽当社の『ごふくQ』を導入して下さいました。1ヶ月くらい手書きで対応したが、早急にシステムを導入してくれて助かりましたと言って下さいました。現在は順調に稼働し、リモートメンテナンスが有り難いとのことで、しっかりと使っていただいていることを有り難く思いました。

 業界的にはまだまだ厳しく、特に職人の高齢化が大きな課題となっている。将来は自分たちで専任の職人を抱えて工場を持ちたい。分業体制が主流の業界にあって、一貫生産ができるようになることが夢だ、とおっしゃいます。是非その夢の実現に向かって邁進していっていただきたく思います。

(米田)