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Q-info 第193号 2024年1月発行 【読者訪問】

カテゴリー[コラム/Qinfo, 読者訪問]

読者訪問 第168回

お伺いした会社 富士抵抗器株式会社
お話を伺った方 代表取締役社長 森川 慶一 様、取締役会長 岡﨑 眞吾 様
会社の所在地  〒603-8321 京都市北区平野鳥居前町24番地
電話番号    TEL 075-463-1251  FAX 075-463-1260
事業内容    抵抗器の製造販売
HP      https://fuji-teikouki.co.jp/

 今回は創業86年目を迎えておられる富士抵抗器株式会社さんをお訪ねし、岡﨑会長と森川社長にお話を伺いました。
同社は昭和12年11月の創業で現在87年目を迎えておられます。京都では創業100年超の企業は珍しくないのですが、電気部品の製造というジャンルではそんなに多くないのではないかと思います。
現在の森川社長は7代目にあたられるのだそうです。4代目までは世襲でしたが、それ以降は世襲にこだわらず今に続いているとのことです。

 そもそも「抵抗器」と聞いてどんなものを想像なさいますか。
抵抗器は小さなものから大きなものまでその種類は多いのですが、簡単にいうと電流を流れにくくする部品です。電気回路に流れる電気の量を制限したり調整したりするための部品で、まさに水道の蛇口が水の流れを調整しているのと同じような役目を果たす重要な部品なのです。中学生の時の理科でオームの法則というのを習いましたね。電圧=電流×抵抗というのがそれですが、その抵抗を調整するのが抵抗器なのです。ラジオのボリュームは可変抵抗器といって、つまみを回すことによって抵抗の値を変化させて音量を調節しています。
抵抗の単位はオーム(Ω)ですが、富士抵抗器さんのロゴマークはまさにΩをかたどっています。

 小さなものは携帯電話の中にも多く使われていますが、同社で作っておられるのは25mm以上のもの、どちらかというと中間層のタイプを扱っておられます。そして、すべてハンドメイドの受注生産で少量多品種の取扱いとなっています。
抵抗器は船舶や電車の制御装置にも多く使われているのをはじめとして、各種制御機器の疑似負荷(ダミーロード)としても活用されており、いろいろな産業機器になくてはならない電気部品として使われています。とはいうものの、半導体をはじめいろいろな電子部品が開発されて抵抗器の市場自体は減少してきているのだそうです。そしてまた、抵抗器メーカー自体も減ってきているのだそうですが、80年以上にわたる手作り製品のスキルと経験値をもとに、最新のデジタル技術との融合を目指し、受注生産にこだわりながら特殊なニーズへの対応を強みに固定抵抗の製造を堅持していきたいとおっしゃっていました。

同社と私共とのお付き合いは、2021年9月発行のSysport announceでご紹介した「デジタルホワイトボード」に興味をお持ちになりご購入いただいた時から始まりました。そして翌年には、IT導入補助金を活用して販売管理システム『はんばいQ30』をご導入いただきしっかり活用して下さっています。

これからは、単なる製造だけではなく加工にも力を入れ、試作や各種コンサルなども行っていきたいとのことで、技術を繋いできたがこれからはプロセスで繋ぐ、仕組みで繋ぐことに力を入れ、100年企業を目指して頑張っていくと力強くおっしゃっていました。
なくてはならない重要な電気部品のひとつである抵抗器を核に、これからの時代に順応するような多角経営も視野に、電気部品メーカーとして100年企業を目指してますます活躍されることを願っております。

(米田)