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Q-info 第76号 2014年04月発行 一丁噛

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いっちょかみ“一丁噛”が行く! 第73回:消費税増税

 消費税が8%になりました。1997年に5%に引き上げられて以来17年ぶりの増税です。
アベノミクスで景気がいいといわれていることを背景に実施されたわけですが、増税後の景気低迷について、
「2~3ヶ月は悪くなるだろうが早晩回復するだろうから増税の影響は限定的」とする楽観的な見方と、
「決して足腰が強くなかった好景気なので、増税で腰砕けになって景気回復はなかなか見込めそうもない」
という悲観的な見方があります。果たしてどうなのかはもう少ししたら見えてくるのではないかと
思いますが、みなさん、どう思っておられますか?
 そもそも消費税は、大平内閣(1979年1月)の時、「一般消費税」導入を閣議決定するも総選挙中に断念。
中曽根内閣の時(1987年2月)「売上税」法案を国会提出するも国民的反対に遭い同年5月に廃案となり、
竹下内閣で(1988年12月)「消費税法」が成立して(1989年4月)「消費税法」(税率3%)が施行されました。
かなりの難産で生まれた消費税ですが、それ故にかなり無理して導入したのではないかと思うところが
あります。具体的には世界的にもあまり例を見ない帳簿式総額方式を採用したことが挙げられます。
請求書などの証憑をもとに、年間の総合計から消費税を算出し納税するというものです。
かなり荒っぽい大雑把な言い方をしますと、納税すべき消費税額は
(年間の総売上額×消費税率)ー(年間の総仕入額(経費も仕入となる)×消費税率)
で計算されます。お客様からいくらの消費税をいただいたか、仕入先にいくらの消費税を支払った
かに関係なく上記の計算式で納税額を算出するのですから、消費税の転嫁については業者の裁量に
任されています(実際にはいろいろと細かいことが規定されてはいますが)。そのため、事業者間では
請求時一括外税の転嫁方式が一般的です。すなわち、その月の請求額に消費税率を掛けて消費税を
計算するという方式です。例えば、10円のものを10回買った相手先には、10円×10回=100円に消費税率
(5%とすると)を掛けて、5円が消費税額で請求額は105円となります。しかし、その都度消費税を
計算する方式では、10円について消費税は0.5円ですから支払額は10円のままで10回買ったとしても総支払額
は100円になります。こういった矛盾が発生しているのです。さらに、経理上の月次決算において請求書の
締日と月次の締日が異なる場合、1円程度の誤差が発生する場合があります。
 消費税率の議論も必要ですが、制度そのものの議論、すなわち、取引の都度計算するインボイス方式の是非も
含めて議論を深めてもらいたいと思います。来年10月には更に10%に上がる予定です。品目によって税率を
変える軽減税率の導入も議論されていますが、本当はもっと時間を掛けて抜本的にいろいろな角度からの検討を
お願いしたいものだと思っています。