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Q-info 第184号 2023年4月発行 【読者訪問】

カテゴリー[コラム/Qinfo, 読者訪問]

読者訪問 第158回

お伺いした会社 株式会社シオガイ精機
お話を伺った方 代表取締役 塩貝 寿俊 様
会社の所在地  本社   〒613-0034 京都府久世郡久御山町佐山新開地30
        営業本部 〒600-8815 京都市下京区中堂寺粟田町93
             京都リサーチパーク 4号館 411号
電話番号    本社TEL 0774-48-1281 営業本部 075-963-6500
事業内容    精密機器製造、金属部品加工、脱臭装置製造
ホームページ  https://www.shiogai.co.jp/

 精密部品の製造から精密機械や産業機械の製造をなさっている株式会社シオガイ精機の塩貝社長を京都リサーチパーク4号館にある営業本部に訪ねました。
 同社は精密機械などの設計製作を主になさっておられるのですが、4年ほど前から脱臭装置を自社開発し、自社ブランド製品として販売をはじめられました。
同社のお得意先である製造業の工場では、接着工程や塗布工程などでいろいろな薬剤や溶剤などを使用することにより様々な臭いが発生します。作業している人は慣れであまり気にならないかも知れないが、初めて嗅ぐとかなりの悪臭であったりします。

そこで、そんな臭いをなくす装置を作ってみてはどうか。
職場環境の改善にお役に立てるのではないかと考え、脱臭機の開発に取りかかられました。ところが、現場で発生するいろいろな臭いの成分は多種多様で、原因の違う臭いをなくすことは大変だったとおっしゃいます。
一般的な消臭器は活性炭で臭いを取ります。ただこれだと一つの臭いしか取ることはできません。
活性炭で取れないものを取るために、有機化合物を化学反応で分離させてフィルターに不純物をつけるという方法で脱臭するのだそうです。

そしてまたフィルターによってとれる臭いが異なるので、いろいろな臭いを取るためにフィルターを何枚も重ねるのだそうです。そうすることにより、消臭ということではなく脱臭ができるのだそうです。

 大型のものから小型のものまで開発し、シューマンという製品名で販売しておられます。特に小型のものは競合するものがなく、製造業だけではなく一般のお店などでもかなり喜ばれているのだそうです。

あるネイルサロンでは、臭いを取るための消臭器を10年来探してきたがいいものがなかった。シューマンに出会って満足していると感謝されたとおっしゃっていました。

 開発当初は自社で直販されていました。しかしながら自社だけで売るのは難しいと、ものづくり現場で必要とされる工具類などを取り扱っている商社と提携し、通販にも乗り出されました。
商社が発行するカタログ「TRUSCOオレンジブック」に掲載されるなどして売上が急増し、前年比200%以上の成長を遂げているそうです。

さらにコロナの間は顧客である工場の稼働率も低かったのですが、コロナが落ち着いてくると工場が動き出す。すると臭いも気になり出すということで、これからますます売上の増加が期待できるとおっしゃっていました。

 この脱臭機のポイントはフィルターです。何枚も重ねたフィルターで異なる臭いを取るのですが、そのフィルターの交換が必要です。フィルターの交換時期の管理や請求などをするために当社のシステムをお使いいただいております。

 自社開発の製品を世に出すことによって、今まで見えてこなかったものが見えるようになったとおっしゃいます。単に顧客から依頼されたものを作るのではなく、自らがお客目線で必要とされるものを作っていく。
そして環境に左右されない強固な体制を作っていきたいと。なくてはならないもの、独自性のあるものを作っていき、困っていることを解決できる製品作りをしていくことにより、いろいろな業界などとも連携して相乗効果を生み出していく。そして、受け身からメーカーとして更に発展していきたいと意気込みを語っておられました。

塩貝社長の意欲をお聞きしているうちに、私もかなり元気をいただきました。同社が脱臭機を軸に更なる製品を生み出し、ますます発展されることを願いながら帰路につきました。

(米田)